2018年4月16日

モスクワ教育事情調査 その2

みなさん、こんにちは。きしべ都です。
モスクワ教育事情調査のその2です。

モスクワ市内は交通量も多く、
朝夕だけでなく一日中、
渋滞です。
2日目は地下鉄での移動に挑戦。
モスクワの地下鉄の駅は個々に特色があり、
レリーフや絵画、彫刻など
美術館のようです。
長いエスカレーターは右側通行、
日本と同じでお急ぎの方に
片側開けてたつスタイルでした。
駅が通過点でなく、
降りてじっくり眺めるような
観光のポイントにもなっているのは
都市の魅力アップにつながることを感じました。
ただ、地上から見ると
建物は地下の部分にくらべると
そっけなかったです。

モスクワ視察三日目は
昨年設立50周年を迎えた
モスクワ日本人学校に伺いました。
学校運営委員会長の常原さんからは
学校の歴史や運営委員会について、
また、長らく駐在生活をされている
モスクワでの生活やジャパンクラブについてなど
幅広くお話いただきました。
また、神浦先生からは
進学指導や学習指導、
とくに現地での生活科総合科の工夫、
同じ建物にある
フィンランド、スウェーデン、イタリア学校との連携、
現地公立学校との交流など伺いました。
現在の国際情勢のなか、
安全対策に大変配慮されていることはじめ、
ジャパンクラブ、在留邦人、企業、関係者、
保護者の方々が遠いモスクワでも
日本の学習指導要領にのっとり、
日本と同等の教育環境整備に
奮闘されていることに心から感謝します。
いくつか課題も伺いました。
まずは、危機管理・安全対策
学校のモットーは
「楽しく、安全に」ですが、
モスクワは国際的、国内的にも
危機感をもって対応されています。
近年、安全対策予算が付き、
送迎バスに防弾ガラス、
校舎に侵入者対策など
安全確保・警備体制の強化を図っているそうです。
日本でも安全対策を重視してきていますが、
国際情勢など
より深刻な危機感を感じました。
また、日本国内と違い医療にも課題をかかえています。
医療資源は不足しており、
ヨーロッパメディカルセンター(EMC)に
行かないと英語・日本語対応は難しいとのこと
最近ではドイツ
メディカルセンター(GMC)に
日英の通訳が設置され、
安堵とのことですが、
日本語での受診は
不自由されているようです。
各学校に校医さんがいて
緊急時に対応できる
日本の体制の良さを実感しました。
いじめ・不登校・心のケアについても
伺いました。
ロシアでも同様に課題だそうです。
日本人学校には
養護教諭が配置されておらず、
日常的な心のケアについて
不足しているとのことです。
怪我の対応や心のケアなどで
養護教諭のニーズはとても高く、
子どもたちの抱える問題が
多岐にわたることは
国の内外に関係ありません。
日本人学校にも
養護教諭が配置されることよう
求めていきたいと思います。
また、インクルーシブ教育についても
伺いました。
日本人学校でも
障害児を受け入れていますが、
教室が不足しており、
リソースルームのような場所が
設置できてないそうです。
今は、教室内に
ブラインドや仕切りで
何とか場所づくりをしているとのことです。
多動など全職員で
対応なさっているそうです。
専門職など配置が望ましいが
現在の文科省の派遣では困難なようです。
日本人学校は
学習について
国内と同じく
学習指導要領に則して
しっかり教育をすすめています。
派遣に関しても
国内の学校と同等の
教員だけでなく
専門職もふくめて
きちんと配置される
必要があると
強く感じました。




 

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