南区から県会へ!やさしさとぬくもりのある政治を目指します!
神奈川県議会議員 きしべ都

活動ブログ

2014年7月 のアーカイブ

2014年7月20日

再生可能エネルギー視察報告3 温泉宿の地熱発電

みなさん、こんにちは。きしべ都です。
再生可能エネルギー視察は
日本一の湧出量を誇る大分県別府市へ。
地元最大の「杉乃井ホテル」が運営する地熱発電所へ伺いました。


地熱発電は、火力発電が石油など化石燃料を燃やして蒸気を作るのに比べ、
地下マグマに熱せられた高圧高温の熱水と蒸気を取り出し、
熱水と分離して、蒸気でタービンを回し、発電します。
燃料をまったく使わないため、二酸化炭素を発生しないクリーンな再生可能エネルギーです。


塚崎賢治所長の解説

日本のホテル業界では初めての本格的地熱発電所
昭和55年に運転開始
35年経って当初3000kw、今は1900kwの設備容量
冷暖房、温水プール、イルミネーションなど
ホテルの約54パーセントの電力を賄っています。
日中の不足分は九州電力から買い
深夜に発電した余剰分は売電
電力部門は黒字だそうです。

課題としては
井戸の掘削
地下400メートルから6本の井戸で取り出していますが、
面積など規制があることと、温泉地帯なだけに温泉業者からの反対も多く
新規の掘削ができないこと。
二番目は熱水の循環
かつてより出力が落ちているのは、地下のマグマだまりは何万年分もあるが、
熱水については
取り出した分戻してないことで枯渇が心配されること。
メンテナンスも含めて
井戸の管の太さや不純物などの問題があるとのことです。

神奈川でも温泉地をかかえているので、
この地熱発電の可能性に期待したいところですが、
地下からの熱水の取り出しの問題
熱水の温度が神奈川のほうは
高くないことなど
導入の問題が多いと感じました。

お忙しい中、視察を受け入れていただいたホテル、所長ありがとうございました。


2014年7月15日

再生可能エネルギー視察報告2 木質バイオマスと森林再生

みなさん、こんにちは。きしべ都です。
横浜は毎日、猛暑日が続いています。
こまめな水分補給で熱中症対策してくださいね。


さて、再生可能エネルギー視察の二日目は
森林資源を活用した木質バイオマス発電。
大分日田市のグリーン発電大分さんと日本フォレストさんに伺いました。
未利用木材を燃料とする木質バイオマス発電と
その燃料となる木質チップの加工
二つの会社でグリーン発電を進める森山和浩さんにお話を伺いました。

豊富な森林資源に恵まれた大分県日田市は、林業や製材業を中心とする木材産業が地域の主要な産業です。
根曲がり材や間伐材、林地残材といった山林未利用材は、これまでその多くが山林に残置されてきました。
建築材や製紙の材料と違い、
搬出費用が賄えない間伐材などの山林未利用材を
バイオマスエネルギーとして利用しています。

木質バイオマス発電は
発電時の燃焼でCO2を排出しますが、
それは木が成長過程において吸収したCO2であり、
大気中の二酸化炭素総量の増減には影響を与えない
カーボンニュートラルな発電です。

発電所の出力は5700KW
所内で自家消費する分を除き、5000KWを売電する
1日24時間3交代で稼働し
年間発電量は4千万KW
一般家庭1万戸分 日田市の半分を賄う量です。
燃料の調達は
大分を中心に協議会を設立し、
年間6~7万トンの未利用材を収集します。
これまで搬出の費用が掛かることから放置された木材に
搬出量含めて7000円/t の高い買取価格で
間伐・搬出の意欲を高めています。
それを後押しするのが、
再生エネルギーの固定買取価格32円です。

収集・運搬による林業の活性化
バイオマスエネルギー供給施設や関連施設の管理運営といった新しい産業と新しい雇用など
地域社会の活性化にも大いに貢献しています。

森山社長は20年の固定価格買取制度で
発電所を安定稼働させ、林業の活性化、森林の健全育成につなげたいと 熱く語られました。

神奈川でも森林の保全・育成は大きな課題です。
残念ながら神奈川では大分のように生産量が多くなく
売電との収支の部分での課題がありますが、
地産地消のエネルギー、CO2の排出抑制、再生可能エネルギーの観点からも
処理に困り捨てていた間伐材を集めエネルギーに変える
このバイオマス発電は、森を守り、林業活性化と再生可能エネルギー両方の面からも期待されるものです。

社長みずから説明と
雨の中案内いただきました。
本当にお世話になりましたありがとうございました。
資源の活用と合わせて
町の活性化にも大きな可能性を感じました。


2014年7月12日

再生可能エネルギー視察報告1 自然エネルギーによる町づくり

みなさん、こんにちは。きしべ都です。

7月9日から11日まで再生可能エネルギーに関する視察を行ってきました。
まずは近づく台風の中を高知県梼原町に伺いました。

ゆすはら町は、全国に先駆けて
再生可能エネルギー導入をはじめとする環境に配慮した各種取組を行ってきました
平成7年頃から地域資源を活用した町内でのエネルギー循環を目指し始め、
平成10年に新エネルギービジョンを策定、
「風」「森」「光」「水」自然エネルギーを活用した環境にやさしいまちづくりを始めています。
平成11年には「風邪をおこし町をおこす」スローガンのもと、風力発電2基を設置、風力発電を開始

今回は、そうしたゆすはら町の取組の経緯や内容について
小水力・風力・太陽光・バイオマス発電や地中熱エネルギーの活用等の概要を伺い、現地調査を行いました。
まずは平成18年位立て替えた梼原町の総合庁舎で概要を伺いました。


ソーラーパネルや地中熱を利用した空調機の負荷軽減、町内産の木材を外装・内装に使用し、
環境評価基準CASBEE『建築物総合環境性能評価システム』で最上位のSランクに認定を受けています。

いたるところ、町内産木材が使われ、
デザイン的にも大変素晴らしく、また木の香りと手触りのするぬくもりのある建物です。

説明をうけたのは実は町議会の議場!後ろの写真が歴代の議長さん方。
年間の議会開催日以外は議長席など格納し、会議室など多目的に使用する省エネ!

環境整備課環境モデル都市推進室の那須さん。大変お世話になりました。
矢崎産業木質バイオマス環境モデル事業分科会担当も兼ね、
エネルギー関連の15ぐらいの仕事をその両肩に担っています。熱い思いが伝わっています。

次に木質バイオマスの製造と活用の現場へ。

森林資源の有効活用と脱化石燃料を目的に
国の交付金事業として町が約2億5千万円を投じて建設したペレット工場で
工場の運営管理は第3セクターの梼原ペレット株式会社が行っています。
原料を4000円/トンで買い取り、さらに搬出助成2400円/m3も上乗せ
ペレットを学校や宿泊施設、町内施設の冷暖房(ペレットで冷房もできるんです)給湯器で使用
エネルギーの地産地消、
間伐が進み、林業の活性化や町民の環境意識も高まっています。
さらに町を流れる梼原川の小水力発電へ。

国のまちづくり交付金を受け、2億円を投じて設置、
有効落差6mを利用して最大出力53kw 昼間は町立の小中一貫校の梼原学園の中学校の90%を賄い、
夜間は町の街路灯82基をともします。

この日は台風接近で出水を止める珍しいところも見せていただきました。

すっかり止まりました。
調整は手動、那須さんが毎日管理し、必要なときは駆けつけるそうです。

発電量は年約280MWhで、四国電力への売電収入はh24は約126万円、維持管理費が150万円と運営的に厳しいところでしたが、
買取価格が34円/KWとなったため、今後は必要経費分も賄えるようです。
最後に風雨の強まる中、四国カルストの標高1300mの日本一高いところにたつ
2基の風力発電所へ。

当日は濃霧の中にうすら見えただけでしたが、晴れていればカルスト台地に立つ美しい姿が見えたはず。
年間約3000MWhでh23年までは売電収入は3500万円。3.11以後の再生エネルギー特措法で売電単価が上がり、h24年は5100万円に増加、
年間修繕費1500万円を引いた残りは「風ぐるま基金」として新エネルギー等活用、森づくりの助成金としてあて、
この基金でソーラーパネルや太陽熱温水器、ペレットストーブ、エコ給湯、ペアガラスなどの設置の補助金交付に活用、
すでに梼原の全世帯の約6パーセント以上がソーラーパネルを設置の実績をあげています。
今後も環境モデル都市として
1990年を基準として2050年までに、
温室ガスの排出量を70%削減し、吸収量を4.3倍に、
そして「エネルギー自給率 100%」を目指しています。すごいことです!!

エネルギーの地産地消
地域資源をフルに活用してのまちづくり
梼原だからできると思わず、神奈川でもできるところから始まることが必要です。

今回のゆすはら町での視察内容を参考に
再生可能エネルギーのさらなる導入や利活用など
安心・安全なエネルギーで
かながわスマートエネルギー計画を着実に進めていきます。

悪天候にもかかわらず、視察を受け入れてくださった町役場のみなさん、
そして熱心に案内してくださった那須さん
お世話になりました。ありがとうございました。


 

神奈川県議会議員 きしべ都

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